24節気 ‐ 冬 ‐

 ❄ 気象特徴と養生 ☃ 

立冬

11月8日前後

 冬の第一節季

万物が収蔵しはじめます

内側にエネルギーを蓄えて外側は枯れて落ち葉になるように

肌の乾燥が出始めます

冬の生活養生は“養蔵” 

“寒為陰邪、常傷陽気”

陽、早晩起、必待日光

 

冬は寒冷の時期、陽気を乱さないことが大切!

陰陽天地の気は閉ざされ、気血は臓伏す

  • 汗をかきすぎて陽気を発散しない
  • 早寝遅起、日が出てから活動する
  • 睡眠時間の充足で陽気潜臓・補陰精
  • 気温に適した服装と室温にして寒邪侵入を予防する

陽気を乱すと新陳代謝が低下するので、

体を冷やさないように、疲れないように、

体を温めてしっかり食べてください


冬の食養生は“秋冬養陰”

 

”“虚者補之、寒者温之”

生冷食を少し、辛いものは避けて

滋陰潜陽の応用をします。

 

熱量は比較的高いものを選び

新鮮野菜をたくさん食べて

ビタミンの欠乏を予防してください

 

おススメは

羊肉・牛肉・鶏肉・豆乳・牛乳・大根

チンゲン菜・豆腐・きくらげなど

 

個体差・気象状況により調節してください

小雪

11月22日あたりからの2週間

 雪が降りだす時期

立冬から寒さと陰が増える季節です

寒さは弱く雪も少なく小雪と言います

寒く日照時間が短くなり始めるため

鬱傾向が出やすいです

 小雪の養生は“静者寿、躁者夭”

 

神(心)に操られる生理状態になります

自然変化に順応し寒鬱邪を予防しましょう

何事も考えすぎず心を虚無にし心神を安静に

精神力と体力の消耗を避けて予防します。


♨ 冬に温めるべき体の部位

 

頭を温める

頭部は外気にさらされ寒冷刺激

を特に受けやすいです

血管収縮・頭部の緊張による

頭痛・感冒の他、

胃腸障害を起こすことがあります。

 

背中を温める

寒冷刺激は背中のツボ(穴)

から侵入し皮肉内臓を冷やします

背中・腰・首の痛みの他

四肢・関節・内臓に不調をきたします

※頭のてっぺんから背中には

督脈があり、冷やしてはいけません

 

足を温める

足が冷えると

反射的に気道粘膜の毛細血管が収縮し

繊毛運動が鈍り免疫低下を起こすため 

細菌感染し風邪をひきやすくなります

全体を温めてさらにこの3つの部分を

冷やさないようにすると寒さに負けません♪

大雪

12月7日あたりからの2週間

北風が強くなり北国では

降雪が多くなる時期

 “進補”(栄養補給)の絶好期です

“今年進補、明年打虎”

“三九補一冬、来年無病痛”

大雪の養生は“1年分の補陰”

 

養生の

養は保養・調養・培養・護養

生は生命・生存・成長の意味 

具体的には

精神養生・飲食の調節・鍛錬・房事を慎む

温度調整などで体を整え益寿につなげること

 

春生(芽吹き) 夏長(生長)

秋収(収斂)  冬蔵(蔵精)

冬は精気を蔵する時期かつ寒冷な気候のために

体力保持しようと栄養欲求が高まります。

そのため、消化機能は相対的に強くなります。


“進補”は免疫力と基礎体力の強化! 

“進補”の方法は2つあります

① 食事

② 漢方

1つの方法だけで補うことは難しく

漢方を飲んでいても食事は大切です

 寒い時期は熱量消費が激しいだけに

虚弱体質の方には益気養血補虚が大切です

 

おススメ食材

ホルモンなどの内臓、赤身肉・魚・卵

鶏肉・羊肉・クルミ・きくらげなど

タンパク質・脂質・炭水化物・カルシウム

リン・鉄分など多種栄養成分を

普段よりもたくさん摂取してください

この時期はダイエットには向きません



冬至

12月22日前後

 “日短至”

非常に重要な節気であり節目です

一年のうちで陰気が最大級かつ

陰気が衰え始め陽気が芽生え始める時

一年で昼間の時間が最も短い日です

 

冬至の養生は“防寒”

この日を境に太陽の上る時間は

だんだん長くなっていきます

 

とはいえこれからが寒さの本番です

しっかりと寒さを防いで風邪を

ひかないように注意しましょう!

 

外出にはコート・手袋・帽子・

腹巻・靴などを天気と気温に

合わせましょう

汗かきの人は、汗をかきすぎないように

注意して、

汗で下着が湿ったら早めに着替えて

放っておくと汗が冷えて風邪を

ひいてしまいます。

 

足が蒸れやすい人は、毎日同じ靴を履かずに

一日はいたら乾燥させてください。

足元から冷えないように。


日本でも柚子湯やカボチャを食べる

習わしが残っています

 

小寒

1月5日前後からの2週間

いよいよ寒さが厳しくなり

降雪も増える時期

 気象記録では小寒の方が大寒より寒く

24節気の中で最も寒い節気です

日本では“寒の内”にはいります

 

小寒の養生は“進補”

寒い季節はあったかいお鍋を頂きましょう!

かつて各種薬膳火鍋は中国全土の

お百姓の冬のご馳走だったとか

発達した暖房器具のない時代に多くの人が

合理的に体を補うのに適していたようです。

寒い時期の進補は食以外の生活習慣も

大切です。


規則正しい生活・良い睡眠・情緒安定

が免疫力を高めます。 

 

着こみすぎず、気候に合わせて選びましょう

ダウン・ウール・皮革の上着など

保温性が高く風を通さないものがおススメです

足元も温かくしてください

高齢の方は帽子で防寒をして下さい。

 

室温は高くしすぎないように

オフィス勤務で温度調整できない方は、

頭重・疲労・悪心・食欲不振など

が出やすくなります

お仕事の合間に新鮮な空気をたっぷり

吸いこみしっかり水分補給をして

休息をとって下さい

 

細菌・ウィルスに感染しやすい時期です。

公共の場はできるだけ避けて、

うがい手洗いで感染予防しましょう

大寒

1月20日前後からの2週間

 1年の最後の節気

大寒の到来は冬の終わりを告げ

農業が忙しくなる春を迎えるために

準備をします

大地にはすでに春が訪れています

 

大寒の養生は“無欲防病”

人の体も春に向けて変化する時期です

 

痒くても掻かない

皮膚が痒くても掻きむしってはいけません

痒みの特徴は長期・反復・全身性など

冬は乾燥して痒みが増しますが、

皮膚を傷めると感染しやすくなります

 

予防には

  • 水分補給
  • 新鮮な果物野菜を食べる
  • トウガラシなどの辛辣、刺激性の食事とアルコール度の高いお酒は避ける
  • 熱い湯につからない     など

手足はゆっくり温めて

手足が寒いと暖房で暖めますが、

冷えた手足は急に温めないで下さい

冷えると血管が収縮して血流量が減ります

急いで温めると血管がマヒして

収縮する力が弱まり血行不良になります


唇の乾燥は舐めない

唾液では水分補給はできません

かえって、乾燥状態を加速させます

唾液には消化酵素アミラーゼが含まれていて、なめた瞬間は潤うのですが、乾燥すると酵素の成分のみが唇に残り乾燥を悪化させます。

亀裂部分から感染を予防するため

水で流しリップクリームで保護しましょう